21歳のマザーコンプレックス

昨日ツイッターに流れてきた漫画の画像を見て泣いた。母親が、一人暮らしを始める息子のことを思って書いたあの漫画。もし見てなくて気になったなら私のいいね欄にあるのでぜひ見て欲しい。

 

私は母親が好きでは無い。

厳密にいうならば、母親のことがあまり理解できなかった。ものの見方、考え方、人への接し方、感情の動き方、その全てが母への嫌悪感につながっていた。だから家を出たし、それで私は久し振りに"家で息ができる感覚"を思い出した。それくらい当時の私は母親と暮らしていくことに疲弊していた。

 

ただ、今でも、母親に可愛く思われたかった頃の私がふとした瞬間にひょっこり顔を出してくる。怒鳴り声と私を叩くその手が落ち着いた頃「ごめんね、でもあなたが大事だから怒るんだからね」と私を抱く母の優しい声を救いに感じていた頃の幼い私だ。母親にいい子だと思われたい、自慢の娘と言われたいと心の底で思っていた。妹と弟に予定があって、わたしだけが買い物についていくことになった日の少し嬉しい気持ち、しばらくののちに、あんたが来ると険悪な雰囲気になると言われ続けていつしか一緒に出かけなくなって妹と弟と母親の後ろ姿がドアの向こうに消えていくのを見守るようになったこと、「年末年始に駅前でたくさんご馳走を買うのが大好き」とずっと言ってきた私なのに遂に家族の中で一人だけその買い物に呼ばれなくなった今年のお正月、母親が私を疎ましく思っていたのはもう明らかだった。

 

無断で家を出た、大学もお金だけがかかる無名の私立だし、正社員で働く母の手伝いも十分にはできていなかった。思っているわけないのだ、そんなことはわかりきっている。それでも「お母さんは私のことを誇らしく思ってるだろうか、一回でも思ったことがあったらいいのに」と、10年後に家を出ていることなど知る由もない背の小さな私が言う。